中学受験に落ちたら、その後はどうなるのだろう。
進路のこと、子どもの気持ちのことを考えると、先が見えず不安になる方も多いと思います。
我が家の長男も、最難関校一校のみの中学受験に挑戦しましたが、結果は残念ながら不合格でした。
元々「ダメなら地元の公立中へ」と決めていたため、親としては冷静に受け止めていたつもりでした。
しかし、3年後の高校受験。
見事合格した息子がポツリとこぼした言葉を聞いて、私はハッとさせられました。
親が思っている以上に、あの日の中学受験は、子どもの心に深く残っていたのです。
この記事では、 中学受験に落ちたあと、家庭の中でどんなことが起きたのか、 その経験がその後の高校受験にどうつながっていったのかを、実体験をもとにまとめました。
- 中学受験の勉強は、本当に無駄になってしまうのか
- 落ちた経験は、子どもの気持ちにどんな影響を残すのか
我が家の一例ではありますが、 同じように悩んでいる方が、少し先を考えるきっかけになればうれしいです。
偏差値は「みんなの高校情報」を参考に、目安として記載しています。
中学受験で1校入試を選んだ理由と公立中学進学の決断
我が家の場合、中学受験は最初から一校のみを受験する予定でした。
理由は大きく二つあります。
ひとつは、お金を払ってまで通わせたい中学校が他になかったこと。
もうひとつは、たとえ不合格でも、義務教育として公立中学校に進学できることです。
そのため親としては、「頑張ったけれど残念だったね」という気持ちはあったものの、進路そのものが大きく揺らぐような不安はありませんでした。
この前提があったからこそ、中学受験に失敗したあとも、冷静にその後の選択肢を考えることができたのだと思います。
中学時代に活用した通信教育と塾(Z会・スタサプ・進研ゼミ)
長男が中学時代に活用した通信教育と塾について。
(それぞれの詳しい紹介は後日記事にする予定です。)
- スタサプ:中1から現在も継続中。安くてわかりやすい。
- 進研ゼミ中学講座:中1の4月~10月まで。中学で習う内容を始めて学ぶならこれ!
- z会中学講座:中1の4月~中3の11月まで。一番長くお世話になった通信教育。
- 塾:夏期講習、12月~受験まで。最後の追い込みは人の手で!
中学受験の勉強は無駄?高校受験で実感した先取り学習の効果
公立中学校に入学した息子は、成績は大体上位30%に入っていました。
受験する高校によっては、中1の成績から内申点を参照されるので、中学受験での勉強は無駄にはなっていません。
実際、中学受験の頃よりも勉強時間はかなり少ないのに、成績はキープ。
家ではマイクラや工作などに時間を使って、楽しんでいました。
国数英社理の5科目のうち、英語以外は中学受験の勉強でやったことがベースになっていますので、ここで中学受験の勉強が生きていたようです。
結果として、中学受験の勉強は「先取り学習」として、中学生活を支える土台になっていました。
高校受験の志望校選びと子供のやる気を引き出す親のサポート
中学受験の頃から感じていたのですが、親の目から見ると、うちの子は火が付くのが遅いタイプでした。
これに気づけなかったら、高校受験に失敗していたかもしれません。
中3になってすぐ、進路の授業で志望校を決めてきました。
本人の希望は偏差値50台の普通の高校です。
親としては、本人が楽しく毎日通ってくれればいいので、特に問題はありません。
成績も問題なく、募集要項を確認すると推薦で受験可能、当日何事もなければ合格できるレベルです。
高校受験に向けた塾の夏期講習と志望校判定の活用
もしかしたら、今後志望校を変えるかもしれない。
万が一を考えた私ですが、塾の夏期講習を勧めてみたら、長男もすんなり塾に行くことを決めました。
塾では定期的に試験が行われ、本人の現在地が可視化されます。
本人の志望校は余裕で合格圏内、さらに上も目指せそう。

塾を継続して上を目指してもいいんだよ?
だけど、本人の志望校は変わらず、塾も夏期講習だけで一旦終了にしました。
志望校変更を決めた時期と親ができるサポート
10月後半、最後の進路希望調査が学校から配られます。
「その高校を選んだ理由」を記入するために、本人に聞くと「そこなら入れるから」。
「え、それでいいの?そのまま書いちゃうけど他に理由ないの?」
と聞く私に向かって、
「俺だって○○高校とかxx高校に行きたいよ!でもそこしか行けないんだよ!!」
(○○高校は学区内トップの公立高校、xx高校は偏差値60後半の私立高です。)
普段温厚は長男からは想像できないほどの声と、わずかに震える手。
彼の本気を感じた私の答えは、
「じゃあ行けよ!!」
そうして受験校を1つに絞らなくて良いこと、最初に決めた高校を滑り止めにすれば、高校生になれることを説明し、志望校を最後の進路希望調査で思いっきり変更したのでした。
親が超えなかった一本の線

やっぱりこのタイミングか!
10月ももう後半。
今振り返ると、この出来事に対する私の気持ちはこの一言に尽きます。
中学受験の時もそうでした。
エンジンがかかるのが遅くて、「もっと早く本気になっていれば…」と私がヤキモキしたあの感覚。
「ああ、この子は追い込まれて初めて火がつくタイプなんだな」 と、妙に納得してしまいました。
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『Z会中学受験コース』がおすすめな人、やめた方がいい人の違いとは?
『Z会中学受験コースだけ』で中学受験に挑んだ体験をもとに、”Z会中学受験コースがおすすめな人”と”やめた方が良い人”の違いについて書いてみました。受講前にぜひチェックしてみてくださいね。
私は、受験で一番大事なのは「本人のやる気」だと思っています。
彼には、夏期講習で確認できた「狙える学力」がありました。
もしもの時の「併願確約(滑り止め)」という安心材料もありました。
でも、それまでは肝心の「本気でそこに行きたい」という意志が見えていなかったのです。
「じゃあ行けよ!!」
迷わずそう言えたのは、これなら戦えると感じたからです。
勉強の手段や併願校の戦略は親が手伝う。
けれど、どこを目指すかという「目標」を決め、戦う意志を持つのは本人。
この線引きを改めて意識しながら、フル装備で走り出した息子を全力でサポートしようと決めた瞬間でした。
志望校を変更することで、受験対策も大きく変更しましたが、それは次の記事で書きたいと思います。
中学受験の失敗が子供のメンタルに与える影響とトラウマ
長男はもともと穏やかな性格だったせいか、受験後は表だって大きな落ち込みなどはなかったものの、中3になると言葉や態度の端々に不安が見られました。
中学受験の失敗がトラウマに?高校受験への心理的影響
学校の進路の授業中に選んだ、自分が確実に入れる高校。
「高校生になりたい」
それが本人の願いでした。
中学受験と違って、今度落ちたら高校生になれない。
後になって思うと、かたくなに進路を変えなかったのは、中学受験に失敗したことがトラウマになっていたのかもしれません。
高校受験合格後に判明した子供の本当のプレッシャー
結局、受験したすべての高校に無事合格しました。
ただ、気になったのは合格発表を見て、大喜びした後の本人の一言、
「合格できるって確信があると落ちると思ってた」
親としては経験の一つとして受けさせた中学受験。
3年経ってようやく表れたその言葉は、彼がどれほど一人でその傷を抱え、慎重に、誠実に、高校受験と向き合って来たかのような証でした。
まとめ:中学受験の失敗は「終わり」ではない。その経験を一生モノの財産に変える方法

中学受験に失敗したことで、子どもの心には親に言えない傷ができているかもしれません。
だけど、私が長男のやる気のリズムに気づけたように、傍らで見ていたその経験は無駄にはなりません。
全ての失敗を無駄にするのか、成功への糧にするかは、周りの人のサポートによって変わってきます。
失敗したことを悔やむのではなく、それを次にどう生かせるかを考えてください。

春には桜が満開になりますように。
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